●アカヤガラ(トゲウオ目ヤガラ科)
学名:Fistularia petimba
体長2m。体は赤色。両眼間隔は深く窪む。
東部太平洋を除く全世界の暖海、やや沖合の深みに生息。
淡泊な白身の高級魚で、刺身、椀種として珍重される。
臭いものには旨いものが多いのも事実だが、
グロいものにも旨いものが多い!・・・これもまた事実だ!
“熊本産赤やがらの昆布〆サラダ仕立て”
Mシェフの店のメニューに小粋な名前で登場していたが
ワタシが気になったのは“熊本産”の部分!火の国魂がふつふつと
沸いてくるのを感じ、オーダーしようか迷っていたら・・・
見せてくれたのが、この頭だった。
すごい・・・! なにコレ~!!!!
30センチ以上はある長い顔は硬い殻で覆われている。
工業製品のような緻密な模様が美しい!
その顔を手にして大騒ぎしていたら、その後合流した友達は・・・
「あ、ヤガラ?」 と、こともなげに言ってのけた。
ダイビングを趣味とする彼女曰く、仲間の“アオヤガラ”は、
海で遭遇することの多い魚なのだとか・・・!
でも、ヤガラを食べるのは彼女も初めて!
口に運ぶと・・・なんとも言えない香りと、
しっかりとした歯応え!
噛むごとに甘みが増し、カニやエビのような風味もある!
おいし~!!!
これはきっと、塩焼きにしたらさらに香りが増すのでは・・・と
Mシェフに訴え、3枚におろした真ん中の骨の部分を炭火で
焼いてもらうことに・・・♪
そうこうしているうちに、もう一人友達が合流。
彼女も「ヤガラじゃ~ん!」とあっさり言うのに驚いたが
とりあえず、一緒に骨の塩焼きをしゃぶった。
うまいっ! うますぎるよ~!!
程よい脂のノリ具合☆ 案の定香りはさらにアップ!
焦げた皮は、ちょっとプルっとした食感で味わい深い。
(食べるのに夢中で写真撮ってない・・・)
「これはきっと、雑炊のダシにしたら最高だね☆」
「お醤油で食べた~い!」「やっぱ握りじゃない??」・・・などと
イタリアンのお店で勝手なことを言う私たちにMシェフは呆れ顔・・・。
そんなことはお構いなしに、アカヤガラで大いに盛り上がった私達は、
その後、長~い顔を聖火リレーのトーチのように掲げて松本駅前を歩き、
怪訝そうな顔をするオジ様たちの視線を横目に、意気揚々と別の店に
向かったのでした・・・♪
すごいよヤガラ!
一夜にして私は、すっかりヤガラの虜。
いつか“ヤガラParty”を開きたい!