あたたかさに誘われて、
無性に、“あぜみち” を歩きたくなって、
近所のあぜみちエリアまで、わざわざ自転車に乗って出かけて、
そして歩いてきました。
僕の実家の家の前は、一面、田んぼで、
その田んぼのあぜみちは、僕のひとつの遊び場でした。
なーんもすることがないときに、
ふてくされたときに、
ひとりになりたいときに、
家族で車でどっかへ出かける時の、ちょっとした家族待ちの時間に、
僕は、何かを探して、歯を磨きながら、尻をかきながら、
サンダルつっかけて、そのあぜみちを歩き回っていたわけです。
そして、そのあぜみちをもしゃもしゃと覆う、なんやかやの草花、
あの頃からしてみれば、いわゆる”雑草”を足でふんずけながら、
僕は無意識のうちにその草花達から「季節」を感じていたんだと思います。
冬の土色のモノ哀しいあぜみちが、再び緑に覆われる頃には、特に。
そんな風に生きていたので、こんな陽気がやってくると、
ふと、この目で、春の存在を、確かめたくなるのです。
それはもちろん、“あぜみち” で。
ああ。 たしかに、 春。
あちらこちらを青い花で埋め尽くしているオオイヌノフグリを、
ふまないように、ふまないように、下ばかり見て歩く、、、
こんなことはとても久しぶりにしたような気がして、とても懐かしい気分になりました。
ホトケノザ、ナズナ、タンポポ。
たくさんの花の間を、ミツバチが忙しそうにハシゴしてました。
たしかに、春、です。
ああ。目。かゆ。